Outlookでメールのやり取りや予定の調整をしていると、
「長いメールの内容をすぐに把握したい」
「返信の文章を一から考える手間を省きたい」
と感じることはありませんか?
そんな時に役立つのが、Outlookに組み込まれたAI機能「Copilot」です。メールの要約、下書きの作成、文章へのアドバイス、会議の準備など、さまざまな作業を助けてくれます。
ただし、使える機能は、契約しているプラン、Microsoft 365 Copilotの利用権があるか、使っているOutlookの種類、会社のシステム設定によって変わります。
この記事では、法人向けのMicrosoft 365を初めて使う方に向けて、Copilotの機能、使い方、料金、利用するための条件、そしてCopilotのボタンが表示されない時の解決策をわかりやすく解説します。
1. Outlook Copilotってどんなもの?💡
Outlook Copilotは、Outlookの中で使えるAIの総称です。正式には「Copilot in Outlook」と呼ばれています。
この機能を使うと、以下のようなことができます。
- 届いたメールの要点をまとめる
- 返信メールの文章を自動で作る
- 書いている文章についてアドバイスをもらう
- 受信トレイや予定表について質問する
これらの機能は、メール画面の上にある「要約」ボタンや、新しいメールを作る画面のCopilotアイコン、Outlook内の「Copilotチャット」など、使う目的によって表示される場所が異なります。
Microsoft 365 Copilot全体でのOutlook Copilotの位置づけ
Microsoft 365 Copilotは、Word、Excel、PowerPoint、Teams、Outlookなど、様々なソフトで使えるAI機能と、会話形式で質問できる「Microsoft 365 Copilotチャット」から成り立っています。
「Copilot in Outlook」は、このうちOutlookに特化した機能のことです。
- OutlookのCopilot機能
開いているメールの要約や、返信の下書き作成などができます。 - Copilotチャット
受信トレイ、予定表、会議に関する質問や、操作の依頼に使います。
もしMicrosoft 365 Copilotの利用権があれば、メールだけでなく、会社内のチャットや文書などのデータも参照して回答してくれます。
CopilotチャットとMicrosoft 365 Copilotの違い
法人で利用する場合、以下の2つの違いを理解しておくことが大切です。
| 項目 | Microsoft 365 Copilotチャット(追加料金なし) | Microsoft 365 Copilot(有料の利用権が必要) |
|---|---|---|
| 利用料金 | 対象のMicrosoft 365契約があれば追加料金なし | 対象プランに加えて有料の利用権が必要、またはCopilotを含むプラン |
| 参照できる情報 | Outlook内の受信トレイ、予定表、会議など、限られたデータ | 上記に加え、権限のある社内チャットや文書データなども参照可能 |
| 使い方(例) | 関連メールの要約、会議予定の確認、未読メールへの目印付け、自動返信設定 | 複数の社内データを元にした回答、メール作成、会議準備など、より高度な連携 |
もし、会社のMicrosoft 365契約と「職場または学校アカウント」があれば、Outlook内のCopilotチャットは追加料金なしで使えます。ここでは、受信トレイや予定表、会議に関する限られた範囲で質問や操作ができます。
例えば、Microsoftは以下のような使い方を推奨しています。
- 特定の案件に関する最近のメールを要約する
- 上司との会議を設定する
- 未読メールに目印を付ける
- 自動返信の設定をする
しかし、Microsoft 365全体の業務データを使ってチャットしたり、チャットや文書を横断して回答を得たりするには、「Microsoft 365 Copilotの利用権」が必要です。
この利用権があれば、Outlookの情報に加えて、あなたがアクセスできる社内チャットや文書データもCopilotが参照してくれます。
詳しい利用範囲は、Microsoftの公式ページ「Copilot in Outlookとチャットする」で確認できます。
個人向けと法人向けでCopilotの使える範囲は違うの?
はい、個人向けと法人向けでは利用できる条件が異なります。
- 法人向けプラン
「Microsoft Entra ID」という会社や学校のアカウントと、対象のMicrosoft 365プランが必要です。
もし「Microsoft 365 Copilot Business」や「Microsoft 365 Copilot」を追加する、またはCopilotを含むプランを契約する場合は、会社の管理者が社員一人ひとりに利用権を割り当てる必要があります。
Copilotが会社内のデータを参照する範囲は、もともとあなたが持っているアクセス権限に従います。 - 個人向けプラン
Microsoft 365 Personal、Family、Premiumの契約者がOutlookのCopilot機能を使えます。ただし、利用できる回数に上限があり、FamilyやPremiumプランでAI機能を使えるのは、契約者本人だけです。
仕事で複数の人が使う場合は、個人向けではなく法人向けのプランを選ぶ必要があります。
普通のOutlookと何が違うの?
通常のOutlookに、AIによる便利な手助け機能が加わるのが大きな違いです。
たとえば、Outlookから以下の操作ができるようになります。
- 長文メールのやり取りを短くまとめる
- 伝えたい内容を入力するだけでメールの下書きを作成する
- 作成中のメールについて、文章の調子、わかりやすさ、相手への印象などについてアドバイスをもらう
- Copilotチャットに、受信トレイや予定表について質問する
- メールのやり取りを元に、会議の招待状と話し合う内容の案を作る
ただし、AIが作った内容は完璧ではありません。
送る前に、以下の項目を必ず確認し、必要に応じて修正してから使いましょう。
- 宛先、日付、金額
- 会社名、人名などの固有名詞
- 依頼内容や条件
2. Outlook Copilotでできること・主な機能一覧✨
Outlookで使えるCopilotの機能は、大きく分けて「メールの確認・作成」に関わるものと、「予定・会議」に関わるものがあります。
ここでは、主な機能をご紹介します。
メールを要約する機能 📝
長いメールのやり取りから、大事な部分だけを抜き出して、メールの上部にまとめて表示してくれます。
要約には、元のメールのどこから情報が来たのかを示す番号が付くことがあります。この番号を選ぶと、対応するメールを確認できます。ただし、この番号が常に表示されるわけではありません。
新しいOutlook for WindowsやOutlook on the webでは、メールに添付されたPDF、PowerPoint、Wordファイルの内容も要約できます。
大切な判断をする際は、要約だけでなく、必ず元のメールや添付ファイルも確認するようにしましょう。
メールの下書き作成機能 ✍️
伝えたい内容を入力するだけで、Copilotがメールの文章を自動で作成してくれます。
作成された文章は、後から「丁寧な言い方に変える」「短くする」といった調整や、指示を修正して作り直すことも可能です。
例えば、「取引先に日程変更をお願いする」「社内で会議内容を共有する」など、目的、相手、含めたい情報を具体的に伝えると、修正の手間を減らせます。
新しいOutlookやOutlook on the webでは、文字だけの「プレーンテキスト形式」のメールでは下書き機能が使えないため、HTML形式に切り替える必要があります。
メール文のコーチング機能 🗣️
書いているメールに対して、「文章の調子」「わかりやすさ」「相手に与える印象」などについてアドバイスを表示してくれます。
相手に強い印象を与えすぎる表現や、依頼内容が伝わりにくい部分がないか、送る前に確認したいときに役立ちます。
この機能を使うには、本文を100文字以上入力する必要があります。アドバイスを反映した後も、自分の意図や事実が変わっていないか、もう一度読み直しましょう。
メール検索・必要な情報確認機能 🔍
Copilotチャットでは、「先週A社から届いたメールを要約してほしい」「部長からの未読メールを確認して」のように、話しかけるような形で依頼できます。
通常の検索窓で「件名」「送信者」「日付」を指定する方法とは違い、知りたいことを文章で伝えられるのが特徴です。
ただし、質問が漠然としすぎていると、関係ないメールも表示されることがあります。案件名、送信者、期間、必要な情報などを具体的に指定し、表示されたメールを開いて内容をしっかり確認しましょう。
メールからの予定作成・スケジュール調整機能 📅
新しいOutlook for WindowsとOutlook for iOS・Androidでは、一つのメールのやり取りから会議の招待状を作ることができます。
Copilotはメールの内容を分析して、会議のタイトルや話し合う内容を提案してくれます。メールの参加者は招待者として自動で追加され、元のメールのやり取りも添付されます。この機能を使うには「Microsoft 365 Copilotの利用権」が必要です。
Copilotチャットから、「部長との会議を設定してほしい」「明日の午後に集中作業の時間を確保して」と依頼することもできます。
いずれの場合も、送る前に会議の日時や参加者、内容を必ず確認してください。
Copilotチャットによる幅広いサポート 🌐
Outlook内のCopilotチャットでは、受信トレイ、予定表、会議について質問し、そのまま操作を依頼できます。
「Microsoft 365 Copilotの利用権」があれば、アクセス権のある社内チャットや文書なども参考にしてくれます。
古いバージョンのOutlook for WindowsでもCopilotチャットは利用可能です。新しいOutlookだけで使える機能ではありません。ただし、表示される場所、使えるデータの範囲、応答の優先順位は、利用権や会社のシステム設定によって変わることがあります。
Copilotルールで受信メールを自動で振り分ける 📤
「Microsoft 365 Copilotの利用権」があるユーザーは、Microsoft 365 Copilotチャットの「職場モード」で、以下のように依頼して、メールの受信ルールを作ることができます。
- 「上司から届くメールを重要なものとして分類して」
- 「件名に『請求書』とあるメールを『請求書』フォルダに移動して」
ルールを作る前に、設定する条件と処理内容が表示され、確認後に適用されます。新しいルールは、作成後に届くメールに適用されます。
Copilotでできるのは、ルールの作成と、すでに作られているルールの確認です。ルールの条件を変えたり、削除したり、一時的に止めたり、順番を変えたりする作業は、Outlookの通常のルール設定から行います。Mac版のOutlookでは、既存のルールを見ることはできますが、Copilotで新しいルールを作ることはできません。
2026年に発表された新しい機能 🚀
Microsoftは2026年3月に、OutlookのCopilotでメールや予定表の複数の作業をまとめて進める新機能を発表しました。これは、メールの優先順位付けや振り分け、予定の重複確認や変更など、複数の操作を一括で依頼できるようになる方向性を示しています。
主な発表内容には、Copilotチャット内でメールの作成、修正、送信ができる機能や、受信トレイと予定表の複数の作業を処理する機能が含まれます。
ただし、これらの機能には「Frontierプログラム」という先行提供のものが含まれており、すべての利用者が同時に使えるわけではありません。Frontierの機能は、今後変更されたり、追加されたり、終了したりする可能性があります。
3. Outlook Copilotの具体的な使い方 💻
OutlookのCopilot機能は、使う場所が機能によって異なります。表示される名前やボタンの位置は、使っているOutlookの種類によって変わることがありますが、基本的な操作は以下の通りです。
メールを要約する手順
- 要約したいメールのやり取りを開きます。
- メールのやり取りの上部にある「Copilotによる要約」または「要約」を選びます。
- 表示された要約を読み、必要であれば元のメールを開いて確認します。
新しいOutlook for WindowsやOutlook on the webを使っている場合、PDF、PowerPoint、Wordファイルが添付されていれば、「ファイルの要約」も選べます。要約ができるまでの時間は、メールやファイルの長さ、インターネットの接続状況によって変わります。
メールの下書きを作成する3つの方法
メールの下書きを作るには、主に以下の3つの方法があります。
方法1:新しいメールの本文を作る
- 「新しいメール」を選びます。
- 本文を書く場所、またはツールバーにあるCopilotアイコンから「Copilotで下書き」を選びます。
- メールを送る相手、目的、含めたい情報、希望する文章の調子などを入力します。
- AIが作った文章を確認し、必要に応じて長さや調子を変えます。
- 「保持」などの操作で、作った文章を本文に反映させ、修正後に送信します。
方法2:返信・転送メールの文章をCopilotチャットと作る
新しいメール、返信、または転送の本文欄で「書き込みを手伝って」や「返信を手伝って」といった項目を選びます。Copilotチャットで追加の条件を伝えながら、本文を作成・修正できます。
方法3:書いた文章の一部を修正する
本文の一部を選び、Copilotに書き換えを依頼します。「短くする」「もっと丁寧に」「箇条書きにする」など、さまざまな変更が可能です。
もし、新しいOutlookやOutlook on the webで下書き機能が使えない場合は、メールの形式を確認しましょう。文字だけの「プレーンテキスト形式」ではこの機能は使えません。Outlookの「設定」から「メール」→「作成と返信」の順に進み、HTML形式に変更してください。
コーチング機能で文章をより良くする手順
- 新しいメールや返信画面で、100文字以上の本文を入力します。
- Copilotアイコンから「Copilotによるコーチ」を選びます。
- 文章の調子、わかりやすさ、読み手への印象に関するAIからの提案を確認します。
- 必要な提案だけを選んで文章に反映させます。
- 変更後の文章が自分の意図通りかもう一度読み直し、送信します。
AIからの提案をすべて受け入れる必要はありません。会社内の言葉遣いや取引先との関係性を考慮して、適切な表現を選びましょう。
予定・会議を自動で作成する手順
メールのやり取りから会議の招待状を作る場合は、以下の手順で操作します。
新しいOutlook for Windowsの場合
- 新しいOutlook for Windowsで、会議の元になる一つのメールのやり取りを開きます。
- ツールバーの「Copilotでスケジュールする」を選びます。
- AIが提案した会議のタイトル、話し合う内容、参加者、添付されるメールのやり取りを確認します。
- 日時、参加者、Teams会議の設定などを必要に応じて変更します。
- 内容を確認して送信します。
Outlook for iOS・Androidの場合
- 会議の元になる一つのメールのやり取りを開きます。
- 「その他のオプション」から「Copilotでスケジュールする」を選びます。
- AIが提案した内容を確認し、会議の招待状に反映させます。
- 日時、参加者、会議の内容を必要に応じて変更します。
- 内容を確認して送信します。
この機能は、複数のメールのやり取りをまとめて選んで会議を作るものではありません。また、Copilotチャットから会議を設定する機能とは別物です。Copilotチャットでは、自然な言葉で予定作成を依頼できますが、参加者の人数や利用環境によって対応できる範囲が異なります。
Copilotチャットで優先度の高いメールを見つける手順
- OutlookのCopilotボタンからCopilotチャットを開きます。
- 「今日届いたメールのうち、返信が必要なものを教えて」のように依頼します。
- 必要に応じて、「取引先からのメールに限定して」「午前中に届いたメールだけ」などの条件を追加します。
- 表示されたメールを開き、本文と返信の期限を確認します。
「Microsoft 365 Copilotの利用権」があれば、チャットや文書の情報も含めて、より適切な優先度を検討するよう依頼できます。利用権がない場合でも、Outlook内の受信トレイや予定表など、限られた範囲の情報を元に質問に答えてくれます。
すぐに使える依頼文(プロンプト)の例
Copilotに依頼するときは、目的だけでなく「誰に」「いつまでに」「何を含めて」「どんな形式で」といった情報を具体的に伝えると、より意図に近い回答が得やすくなります。
メールの下書きをお願いする例
- 「取引先の担当者へ、打ち合わせのお礼メールを200文字程度の丁寧な文面で作成してください」
- 「日程変更をお願いする理由と、代わりの候補として来週月曜・火曜の午後を含めてください」
- 「相手からの依頼を断るメールを、代わりの案を一つ添えて作成してください」
メールの要約・検索をお願いする例
- 「このメールのやり取りで決まったことと、私が対応する項目を分けて表示してください」
- 「先月A社から届いた見積もり関連のメールを確認し、送られた日と件名を一覧にしてください」
- 「山田さんからの未読メールのうち、期限が書かれているものを教えてください」
予定作成をお願いする例
- 「明日の午後に1時間の集中作業時間を設定してください」
- 「来週、部長との30分の会議を空いている時間に設定してください」
- 「このメールのやり取りを元に、会議のタイトルと話し合う内容の案を作成してください」
設定・メール管理をお願いする例
- 「件名に『請求書』とある今後のメールを『請求書』フォルダに移動するルールを作成してください」
- 「次の金曜日に自動応答を設定してください」
4. Outlook Copilotの利用料金と今後の変更点💰
法人向けでCopilotを使うには、Microsoft 365の基本プランにCopilotの利用権を追加する方法と、最初からCopilotが含まれているプランを選ぶ方法があります。
法人向けプランの選び方
法人向けの主なプランは以下の通りです。表示価格は2026年7月時点のもので、1人あたりの月額換算(年間契約・税抜き)です。
| プラン名 | 価格 | 主な利用条件 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Copilot Business | 通常3,148円(2026年9月30日まで対象顧客は2,698円) | 対象のMicrosoft 365 Businessプランに加えて必要 |
| Microsoft 365 Copilot | 4,497円 | 条件を満たすMicrosoft 365プランに加えて必要 |
「Microsoft 365 Copilot Business」は、中小企業向けのMicrosoft 365 Businessプランを使っている方向けの製品です。一方、大企業向けには「Microsoft 365 Copilot」という名前で提供されています。
既存のMicrosoft 365プランにCopilotの利用権を追加するだけでなく、Copilotが最初から含まれているプランを選ぶこともできます。
契約する会社や支払い方法、既存の契約内容によって、表示されている金額と実際の請求額が異なる場合があります。導入を検討する際は、Microsoftの公式料金ページで最新情報を確認してください。
法人向けは「追加機能の有無」で使える範囲が変わる
法人向けでOutlook Copilotを利用できるかどうかは、単にOutlookが使えるかだけでなく、「Microsoft 365 Copilotの利用権(ライセンス)」が割り当てられているかどうかが重要です。追加機能としてCopilotを契約した場合も、Copilotを含むプランを選んだ場合も、使える範囲は同じです。
追加機能がない場合
対象のMicrosoft 365契約と「職場または学校アカウント」があれば、Copilotチャット自体は追加料金なしで利用できます。Outlook内のCopilotチャットでは、受信トレイ、予定表、会議など、限られたデータについて質問し、関連メールの要約、会議の設定、未読メールへの目印付け、自動返信の設定などを依頼できます。
ただし、Microsoft 365全体の業務データを参照する「職場モード」のチャットや、チャットや文書を横断して回答を得るには、「Microsoft 365 Copilotの利用権」が必要です。
追加機能がある場合(Copilotの利用権を含むプラン)
「Microsoft 365 Copilotの利用権」が割り当てられている場合、さらにアクセス権のある社内チャットや文書データなども参照できます。これにより、複数の情報源を使った回答、会議準備、Outlook以外のMicrosoft 365アプリとの連携がしやすくなり、特定の機能では優先的にアクセスできる利点もあります。
そのため、「OutlookでCopilotが使えるか」だけで契約状況を判断するのは難しいです。どんな作業で、どんなデータを参照したいのかを決めてから、Copilotの利用権が必要かどうかを会社のシステム管理者に確認しましょう。
2026年7月からの料金変更と割引キャンペーン
Microsoftは、Microsoft 365の一部の法人向けプランについて、2026年7月1日から料金と内容を変更しました。既存の利用者には、原則として契約更新のタイミングで新しい料金が適用されます。なお、Microsoft 365 Copilot単体の利用権は、この料金変更の対象外です。
一方、「Microsoft 365 Copilot Business」では、2026年7月1日から9月30日まで、通常3,148円のところを2,698円で利用できるキャンペーンが実施されています。これは1人あたりの月額換算(年間契約・税抜き)で、対象のBusinessプランを利用中の既存顧客が対象です。年間契約が必要で、キャンペーン価格は最初の1年間のみ適用されます。
キャンペーンの内容は変更されたり、終了したりする可能性がありますので、購入画面で利用条件、契約期間、更新後の金額を必ず確認してください。
無料版のOutlookでもCopilotは使えるの?
無料のOutlook.comアカウントだけでは、法人向けのOutlook Copilotは利用できません。
法人向けのMicrosoft 365 Copilotチャットを追加料金なしで使う場合でも、対象のMicrosoft 365契約と「Microsoft Entraアカウント」が必要です。
個人向けでは、Microsoft 365 Personal、Family、Premiumの契約者がOutlookのCopilot機能を利用できます。
法人で利用できるかどうかは、無料か有料かというだけでなく、基本プラン、アカウントの種類、Microsoft 365 Copilotの利用権、そして会社のシステム設定によって決まります。
【参考】個人向けプランの選び方
個人向けのMicrosoft 365 Personal、Family、Premiumには、Outlookを含むMicrosoft 365アプリでCopilot機能が使えます。2026年7月時点でのMicrosoft公式サイトの価格は以下の通りです。
| プラン名 | 月額 | 年額 | AI機能の利用状況 |
|---|---|---|---|
| Microsoft 365 Personal | 2,130円 | 21,300円 | 契約者1人が利用。利用できる回数に上限あり |
| Microsoft 365 Family | 2,740円 | 27,400円 | AI機能は契約者本人だけが利用。利用できる回数に上限あり |
| Microsoft 365 Premium | 3,200円 | 32,000円 | Personal・Familyより利用できる回数が多い。追加機能あり |
価格や利用できる回数には変更の可能性がありますので、申し込みの際はMicrosoftの個人向けCopilot料金ページで最新情報を確認してください。
なお、Copilot Proは2025年10月から新しく販売されていません。Microsoftは、すでにCopilot Proを契約している方に対し、Microsoft 365 Premiumへの切り替えを案内しています。
5. Outlook Copilotを使うための条件と環境 ⚙️
法人でOutlook Copilotを使い始める前に、以下の項目を確認しましょう。
- 利用権(ライセンス)
- アカウントの種類
- メールボックスの状況
- Outlookの種類
- 更新の仕組み(更新チャネル)
これらの条件を満たしていても、会社のシステム設定によっては、管理者が機能を制限している場合があります。
必要な利用権とアカウントの種類
法人でCopilotを使うための基本的な条件は以下の通りです。
- 対象となるMicrosoft 365の基本利用権が割り当てられていること
- Microsoft Entra IDの「職場または学校アカウント」でサインインしていること
- Microsoft 365 Copilotの有料機能を使う場合は、対象の社員に利用権が割り当てられていること
- Outlookで使っているメインのメールボックスが「Exchange Online」にあること
Microsoft 365 Copilotは、「Exchange Online」上のメインメールボックスでのみ使えます。
- アーカイブ用メールボックス
- グループメールボックス
- 共有メールボックス
- 代理でアクセスしているメールボックス
これらでは利用できません。また、会社内のサーバーにあるメールボックス(オンプレミスのExchange)も対象外です。詳しい要件は、Microsoftの公式ページ「Microsoft 365 Copilotのアプリ・ネットワーク要件」で確認できます。
管理者が利用権を割り当ててから、アプリにCopilotが表示されるまで、最大で24時間かかることがあります。もし表示されない場合は、Microsoft 365アプリの「ファイル」→「アカウント」から「ライセンスの更新」を実行し、アプリを一度閉じてからもう一度起動してみてください。管理者向けの手順は、Microsoftの公式ページ「Microsoft 365 Copilotのセットアップとライセンス割り当て」に記載されています。
外部メール(サードパーティメール)を使う場合の注意点
同じパソコンやスマホのOutlookに、Copilotを使えるアカウントと、GmailやYahoo、iCloudなどの別のアカウントを登録している場合、Copilotへのアクセスをアカウント間で共有できます。
ただし、この共有機能は古いバージョンのOutlook for Windowsでは使えません。また、以下の条件を満たしている必要があります。
- 同じデバイスにサインインしていること
- Outlookのプライバシー設定で「接続エクスペリエンス」が無効になっていないこと
- 年齢制限を満たしていること
複数の職場や学校アカウントも対象になることがあります。詳しい情報は、Microsoftの公式ページ「OutlookでCopilotへのアクセスを共有する方法」で確認できます。
会社によっては、情報管理のルールに基づいて、管理者がこの共有機能を無効にしている場合があります。個人契約のCopilotを職場の仕事で使う前に、会社のルールを確認しておきましょう。
対応しているOutlookのバージョンや環境
主に以下のOutlook環境でCopilotが利用できます。
- 新しいOutlook for Windows
- 従来のOutlook for Windows
- ウェブ版のOutlook(Outlook on the web)
- 最新版のOutlook for Mac
- Outlook for iOS・Android
すべての機能がすべての環境で使えるわけではありません。
例えば、メールの要約、下書き、コーチング機能は多くの環境で使えますが、メールのやり取りから会議を作る機能や、Copilotテーマなどには、環境による違いがあります。
機能ごとの対応環境一覧表(2026年7月時点)
2026年7月時点でのMicrosoft公式サポートページに記載されている、主な機能の対応状況は以下の通りです。
会社のシステム設定、利用権、機能の提供状況によっては、以下の表と異なる場合があります。
| 機能 | 新しいOutlook(Windows) | 従来のOutlook(Windows) | ウェブ版 | Mac(最新版) | iOS・Android |
|---|---|---|---|---|---|
| メールスレッドの要約 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| メールの下書き | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| メール文のコーチング | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| Copilotチャット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 利用環境を確認 |
| メールスレッドから会議作成 | 〇 | × | 明記なし | 明記なし | 〇 |
| 会議の準備 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
| Copilotテーマ | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
| ルールの作成・表示 | 〇 | 〇 | 〇 | 表示のみ | 〇 |
Windows版のOutlookの違いは、Microsoftの公式ページ「新しいOutlookと従来のOutlookの機能比較」で確認できます。Macやモバイル環境を含む対応状況は、「会議の準備」と「Copilotテーマ」の各ページにも記載されています。
新機能や提供時期は変更される可能性があるため、導入前には各機能のサポートページも確認することをおすすめします。
従来のOutlookで使う場合の「更新チャネル」の制約
Microsoft 365のデスクトップアプリでCopilot機能を使う場合、「半期エンタープライズチャネル」という更新の仕組みでは利用できません。
従来のOutlook for WindowsなどでCopilotを使いたい場合は、「最新チャネル」または「月次エンタープライズチャネル」に切り替える必要があります。
この更新チャネルは、通常、会社のIT管理者が設定しています。自分で変更できない場合は、社内のヘルプデスクに依頼してください。切り替えが終わるまでは、ウェブ版のOutlookで使える機能を確認してみましょう。この件に関するMicrosoftの案内は、「Copilotボタンが表示されない場合の対処法」に掲載されています。
6. Copilotボタンが表示されない・使えない時の解決策 ❓
Copilotが表示されない原因は、利用権(ライセンス)だけとは限りません。以下の順番で確認していくと、自分で解決できる問題と、会社のシステム管理者に対応してもらう必要がある問題を切り分けられます。
まず確認したいチェックリスト
- 利用権(ライセンス): 必要な基本プランとCopilotの利用権が割り当てられているか?
- サインインアカウント: 会社や学校のアカウントでサインインしているか?
- メールボックス: メインのメールボックスが「Exchange Online」にあるか?
- Outlookの種類・バージョン: 使いたい機能に対応しているOutlookの種類か、最新版になっているか?
- 更新チャネル: 「半期エンタープライズチャネル」になっていないか?
- メール形式: 下書き機能を使うメールが「プレーンテキスト形式」ではないか?
- プライバシー設定: 必要な「接続エクスペリエンス」が有効になっているか?
- 管理者設定: 会社のシステム設定で機能が無効になっていないか?
- サービス状況: Microsoft 365側でシステム障害が発生していないか?
利用権とアカウントの種類の確認
法人で利用する場合は、会社のMicrosoft 365管理者に以下の2点を確認してもらいましょう。
- 自分に、対象のMicrosoft 365基本利用権が割り当てられているか?
- 必要な機能にMicrosoft 365 Copilotの利用権が必要な場合、その利用権も割り当てられているか?
利用権が割り当てられても、表示されるまでに最大24時間かかることがあります。Windows版では、「ファイル」→「アカウント」→「ライセンスの更新」を選び、開いているMicrosoft 365アプリをすべて閉じてから再起動してみてください。
複数のアカウントを登録している場合は、Copilotが使える対象のアカウントでOutlookにサインインしているかどうかも確認しましょう。
Outlookのバージョンと更新チャネルの確認
使いたい機能が、今使っているOutlookに対応しているか確認しましょう。
従来のOutlookでも、要約、下書き、コーチング、Copilotチャットは利用できますが、メールのやり取りから会議を作る機能、会議の準備、Copilotテーマには対応していません。
従来のOutlookなどのデスクトップアプリで「半期エンタープライズチャネル」を使っている場合、Copilot機能は利用できません。「最新チャネル」または「月次エンタープライズチャネル」への変更を管理者に依頼してください。
メール形式の確認(プレーンテキストでは下書き機能が使えない)
新しいOutlookとウェブ版のOutlookでは、文字だけの「プレーンテキスト形式」のメールで「Copilotで下書き」機能は使えません。以下の手順でHTML形式に変更しましょう。
- Outlookの「設定」を開きます。
- 「メール」→「作成と返信」を選びます。
- メッセージの形式をHTMLに変更します。
- 新しいメールをもう一度開いて、Copilotのボタンが表示されるか確認します。
この制限は下書き機能に関するものです。Copilot全体が表示されない場合は、他のチェック項目も確認してください。
プライバシー設定と接続エクスペリエンスの確認
Windows版のMicrosoft 365アプリでは、「ファイル」→「アカウント」→「アカウントのプライバシー」→「設定の管理」を開きます。以下の2つの項目が有効になっているか確認しましょう。
- コンテンツを分析するエクスペリエンス
- すべての接続エクスペリエンス
会社で設定が管理されている場合、利用者が自分で設定を変更することはできません。IT管理者に確認してください。
ウェブ版のOutlookでは、ブラウザで「サードパーティCookie」をブロックしていると、Copilotが利用権を確認できない場合があります。利用権の確認エラーが出た場合は、会社のセキュリティ方針を確認した上で、ブラウザの設定を見直しましょう。
管理者の設定(ポリシー)と会社のシステム設定の確認
同じ部署の同僚と表示が異なる場合は、以下の情報を管理者に伝えて確認を依頼しましょう。
- 自分のユーザーID
- 利用しているOutlookの種類とバージョン
- 表示されない機能の名前
- 問題が発生した日時
- エラーメッセージや画面の状況
- 自分で試した対処法
管理者は、利用権の割り当て状況、Microsoft 365アプリの更新チャネル、Copilotに関する会社のポリシー、Microsoft 365サービスの正常性などを確認できます。もし共有メールボックスや代理アクセス先のメールボックスで試している場合は、自分のメインメールボックスでも確認してもらいましょう。
ウェブ版に切り替えて確認する一時的な方法
デスクトップアプリでCopilotが表示されない場合は、ウェブ版のOutlookに同じ会社や学校のアカウントでサインインし、Copilotが表示されるか確認してみましょう。
ウェブ版で表示される場合、デスクトップアプリのバージョン、更新チャネル、利用権の情報がまだ反映されていないか、プライバシー設定に原因がある可能性があります。ただし、ウェブ版で表示されるからといって、利用権や管理者設定に問題がないとは限りません。機能ごとに必要な条件が異なるためです。
それでも表示されない場合
ここまで確認しても解決しない場合は、以下の操作を試してみてください。
- Microsoft 365アプリで利用権を更新する
- Outlookと他のMicrosoft 365アプリをすべて閉じて、もう一度起動する
- 対象のアカウントから一度サインアウトし、再度サインインする
- OutlookとMicrosoft 365アプリを最新版に更新する
- 別の対応しているOutlookの環境で同じ機能を確認する
- 管理者にMicrosoft 365のサービスが正常に動いているか確認してもらう
新機能は、利用しているシステム環境、地域、言語によって段階的に提供されることがあります。公式ページで提供が開始されていても、自分の環境に表示されない場合は、管理者またはMicrosoftサポートに問い合わせてみましょう。
7. Outlook Copilotを上手に使うためのポイントと注意点 ⚠️
Copilotはメールの作成や確認を助けてくれる便利なツールですが、AIが作った結果が常に正しいとは限りません。会社で利用する際は、AIへの指示の出し方と、生成された情報の確認方法を決めておくことが大切です。
依頼文(プロンプト)を工夫するポイント
Copilotへの依頼文には、以下の4つの要素を含めると、より意図に近い回答が得やすくなります。
- 相手: 誰に送るのか(取引先、上司、同僚など)
- 目的: 何のために送るのか(日程変更、お礼、確認、お断りなど)
- 必要な情報: メールに含めたい具体的な内容(日時、金額、候補日、期限など)
- 表現: どのような文章の調子や長さにするか(丁寧さ、箇条書きの有無など)
例えば、「日程変更のメールを書いて」とだけ依頼するのではなく、「取引先の担当者へ、今週金曜の打ち合わせを来週月曜または火曜の午後へ変更したいと伝えるメールを、200文字程度の丁寧な文面で作成してください」のように具体的に依頼しましょう。
AIが文章を作成した後で、もし条件が足りなければ、「変更理由は社内会議のためと追記してください」「候補日時を箇条書きにしてください」のように、続けて指示を出すこともできます。
生成結果の確認と情報漏洩への配慮
AIが作った下書き、要約、検索結果は、送ったり共有したりする前に必ず確認しましょう。
特に以下の内容は、元のメール、予定表、文書と照らし合わせて間違いがないかチェックしてください。
- 契約条件、金額、数量
- 日付、曜日、時刻、タイムゾーン
- 氏名、会社名、製品名
- 宛先、CC、BCC
- 期限、担当者、決定事項
Microsoft 365 Copilotは、あなたがアクセス権を持っているメール、チャット、文書などを参照します。AIへの指示(プロンプト)、AIの応答、そしてMicrosoft Graph(マイクロソフトのデータ連携技術)を通じて参照されたデータは、AIの学習には使われません。詳しい情報は、Microsoftの公式ページ「Microsoft 365 Copilotのデータ・プライバシー・セキュリティ」で確認できます。
ただし、Copilotが新しいアクセス権を勝手に与えることはありませんが、すでに広く共有されている情報を回答に含める可能性があります。会社のアクセス権限、機密情報の分類、外部との共有ルール、そしてAI利用に関する規定に従って使用してください。
Copilotはあくまで「補助ツール」と考える
Copilotが作った内容には、読み間違いや間違った推測が含まれることがあります。
例えば、
- 要約で概要を把握した後も、重要な部分は必ず原文を読んで確認する
- 下書きされたメールは、事実と相手に合わせた表現に修正してから送信する
といった使い方を心がけましょう。
最初は、社内向けのメールや長いメールの確認など、影響の少ない用途から試してみると、操作に慣れやすくなります。
特に、外部への送信、契約、人事、法務、財務に関する内容では、会社の確認手順を省略せず、慎重に対応しましょう。
まとめ
Outlook Copilot(正式名称: Copilot in Outlook)は、メールの要約、下書き作成、文章へのアドバイス、受信トレイや予定表に関する質問、会議の準備など、Outlookでの作業を効率化するAI機能です。
法人向けでは、Microsoft 365の対象プランを契約していれば、Copilotチャットを無料で使える場合があります。さらに「Microsoft 365 Copilotの利用権」が割り当てられている、またはCopilotを含むプランを選んでいる場合は、アクセス権のある社内チャットや文書データも参照でき、より多くの機能や情報が利用できます。
もしCopilotのボタンが表示されない場合は、利用権、サインインしているアカウント、メインメールボックスの場所、Outlookの種類、更新チャネル、メール形式、プライバシー設定、会社のシステム管理者による設定などを順番に確認してください。
料金、機能、提供状況は変更される可能性があるため、契約や導入の直前には、必ずMicrosoftの公式ページで最新情報を確認することが大切です。